あれほど通りにくいと思っていた階段は、青木くんの横について歩くだけで嘘みたいに普通に降りることができている。
ええ味方を手に入れた。
「青木くん、乃亜にあたしが再試だって聞いてるんでしょ」
「再試だとは言ってなかったけど、あかりは英語だけすごいバカだからもう一回テスト受けなきゃいけないとは言ってたな」
「それって、再試って言ってるようなもんだからね」
なんてことない会話をしていると、1階にはすぐついた。
また全力で階段を駆け上がらなければいけない青木くんにお礼を言いつつ、心の中では青木くんの恥ずかしいことを乃亜から聞き出してやることを心に誓った。
青木くんだけあたしの恥を知ってるなんて、不公平極まりないからね。
一人で廊下を進みながら、手のひらで小銭をちゃりちゃりを鳴らす。
そいうえば、階段を下りてるとき創平とはすれ違わなかったな。
目ざとくチェックしてしまっていることは考えないようにして、別の何かをやっているんだろうかとぼんやり考える。

