そんな気持ちを隠すように視線をふいと外して、英語のテキストをおいた机を見つめた。
「勉強してから帰んの。補習決まった日から毎日居残りだっての」
ぱらりとテキストをめくり、最初はあんなに見られたくなかったテキストの中身を創平に見せた。
何度も解きなおしてるテキストが創平には見えてるだろう。
「はぁ?今日は帰れや。雨降んぞ」
創平も乃亜と同じ意見のようだ。
「家帰ったら誘惑が多いんだってば。それはあんたもわかるでしょ?」
「まぁ、そうだけどさ…」
何かを言いたげな創平。
でも、創平が何かを言おうと唇を震わせたとき、教室の外から創平を呼ぶ声がした。
「おい創平!今日雨降るまで外で雨降ったら中練だってさ!」
創平と同じジャージを着た男子。
同じサッカー部の人だろう。
あいにく名前まではわからないからきっとクラスが離れてる人なんだと思う。
創平と同じようにドアから身を乗り出して声を掛けてきた人を見て、すぐに視線を下へと向けた。
「はよいくぞ!たらたらしてたら雨降ってくる!」
「おん!今行く!」

