もう一度乃亜に頭を下げてお礼を言うと、がんばれ!という激励をもらった。


話しているうちに帰りのショートが始まったようで先生が教壇に立っている。


この後、職員会議あるからか、いつもより手短で急ぎ足のような気がした。


ちらりと視界のはしっこに創平をうつすと、いつのまにか部活の格好に着替えている。


職員会議があって先生いないのに、ちゃんと部活ってあるだな。


そんなことをぼんやり考えていると、号令!という先生の声が聞こえた。



周りに合わせて席を立ち、軽く礼をすると同時に雨が降り出す前に帰ろうとするクラスメイトたちで教室がざわつく。



あーあーあー。わたしも早く帰りたい。

勉強のためにもう一度席に座り、ざわつきが収まるまで待機していると



「いたっ」


後頭部に軽い衝撃。


見上げるとそこには創平。

普段見慣れないジャージを身にまとって、わたしの頭にぐりぐりと手のひらを押し付けてくる。



「何座ってんの。はよ帰れや」



見慣れた制服を見にまとう創平とは違って、なんだか妙な気分になる。

なんか部活のジャージ着てる方がかっこいいな…