職員室に響くおっきい声。



ガラガラと音を立てながら、
ソイツは職員室に現れた。




「せんせー、カギ」


「おー、ちょい待ち」




くるっと椅子を回転させ、
机の引き出しをあさる先生。



その後姿を眺めてると、
あたしの隣にはかかとを踏んだ上履きが見えた。



ソイツが、
あたしの横に並んだ。



「あれぇ、あかりさん?
まさかまさかの呼び出し中?」


「・・・・・・・うっさいな」



あたしの顔を覗き込んで、
ニヤニヤ笑ったソイツ。





野口創平(ノグチソウヘイ)





1年のころからの、
あたしのケンカ友達みたいなもん。



「この時期に呼び出しねぇ」


「なんなのよ!」


「テスト返却終った瞬間呼び出しかー」


「・・・・・・・」


「いてぇ! 無言で蹴るな!」