顔の前に口がぱかぱか開くボールペンをかかげて。
創平の言葉にあわせてぱかぱかと動くボールペンについてるキャラクターの口。
予想してなかった創平の返答に言葉がでなかった。
正確には、
どうかえしていいかわからなかった。
「・・・まぁ、英語の教科書にこんな例文でてこねぇよ」
「え、あぁ、うん」
ぽいっとペンケースに投げ入れられたボールペン。
それを目で追って、それから創平の顔を見れなかった。
うつむいたまま、書き直されたlikesの文字を目で追う。
たとえば、で言っただけだってわかってるけど。
面と向かって告白のセリフを言われて普通に振る舞えるほど感情を消せない。
ばか。喜ぶな。

