ペンケースの中に入れてたアルパカの絵が描いてる付箋を一枚はがしながら創平が言った。
「これやべぇな。かわいい」
そりゃよかった。
とりあえず範囲の単語と文法を覚えなきゃ話にならないみたいだ。
「あと、ちょいちょいおまえ単語のチョイスおかしくね?」
「え?」
創平があたしの英語のテキストを広げながらそう言う。
あたしのアルパカの付箋は、シャツの胸ポケットからアルパカが覗いてるみたいな感じに貼られていた。
「ここ。この英作」
広げられたページを覗くと、解いてまだ答え合わせをしていなかった問題。
「え?なんで?これはあってるって確信してたんだけど」
「これだよ。本文入るまでのこの英作。トムは寿司が好きです。だぞ?」
「あってるでしょ?」
「なんでTom loves Sushi.になるんだよ。likesだろ。Tom likes sushi」

