クラスの男子とゲーム機であそぶ創平。
好きだと言いながら創平は男子の肩をがっつり抱いていた。
「あの接し方に見覚えはありませんか?ありますよね。あたしと同じです」
「・・・・」
「あたしは創平にとって男友達みたいなもんなんだよ・・・」
決められた生物室の席に座り、大きなため息をひとつ。
乃亜は言葉が出ないようだった。
創平はすぐ誰にでも好きだという。
それは女の子に対してではなく男に向けて。
それはそれでどうなんだと思うけど、女の子に好きだって言いまくってるよりはまだましだということにしよう。
そのうえ、創平はパーソナルスペースがとてつもなく狭い。
抱き癖だってあるはずだ。
それも男子に対してだけで、女の子には適度な距離感で普通に接する。
あたしは女子にもかかわらず、創平に好きだと軽〜く言われ、距離も近い。
誤解されても仕方ないけど、それは創平があたしのことを女として見ていないからで。
創平は女の子の林あかりではなく、男の子の林あかりと友達として付き合ってるんだろう。

