乃亜の言葉に思わず大きな声が出た。
はっとして辺りを見渡すけど、特に気にはされてないみたい。
「なんで?」
今度は息を潜めて小さな声で、なるべく動揺が乃亜に知られないように問いかける。
「だって、創平くんのあかりへの接し方は他の女の子とは全然ちがうよ。
だんとつで仲もいいし、そういう風にしか見えないよ」
乃亜の言葉に小さなため息。
たどり着いた生物室の扉を開けながら、あたしは乃亜に断言した。
「あいつはあたしのこと女だとおもってないね」
「でも、」
「その証拠があれだよ」
生物室の扉を開けたその先。
すでにクラスの半分は生物室にいて、
そこには創平の姿もあった。
「バッカ!創平やめろ!」
「聞こえないね!くらえー!!」
「あー!もうなんだよー!ゴール直前で攻撃してくんな!」
「いえいいえーい!普通に勝つよりこっちのが気分がいい!気分よく勝たせてくれるお前が好きだー!!」
「俺はきらいだよばか!」

