火照る顔を隠すことも忘れて、ただがむしゃらに教室目指して走った。
教室に帰ったところで創平も当然のようにそこにいて、また混乱してしまうのは目に見えているけど。
いまはただ。
混乱しているにもかかわらず、この混乱が心地よかった。
――――・・・・
「あかりー。5限帰ってくるのぎりぎりだったね。どこ行ってたの?」
授業が始まる寸前に教室に滑り込んだあたし。
授業が終わるとあたしの席まで友達の乃亜がきて話しかけてきた。
手には次の教科の教科書が握られていて、
あぁ。次は移動教室か。なんて。
ぼんやりそんなことを考えていた。
「いや、図書室で自習してて・・・ほら、英語の追試の」
「あーあれか。でも、創平くんにどっか連れて行かれてなかった?なんかあったの?」
乃亜の問いかけに、次の教科書を探すために机の中をごそごそとあさる手が止まった。
ちらりと視線だけ上げると、そこには不思議そうに首をかしげる乃亜。

