Love or Like





テキストに向けていた視線をゆっくり創平へと合わせると、



今度はあたしを見つめる創平と視線が絡まった。




至近距離でみる創平はなんだかいつもの創平とは違う人みたいで、胸が大きな音を立てた。






「どういう、」




やっとの思いで出た声は少しだけ震えていて。


持っていたペンをぎゅっと握った。



その瞬間、図書室内のスピーカーからこの場に似合わないくらいの大きな音でチャイムが鳴った。




「・・・予鈴、だな。辞書はちゃんと元に戻しとけよ」



「え、あ、うん」



「じゃあ、先戻るわ」




椅子から立ち上がった創平はあたしに背中を向けて図書室の出入り口へと向かった。



無造作に頭をかいている創平の後ろ姿をぼーっと眺めていると、一度だけ振り返って



「テスト前にせんせーがくれたテスト範囲の文法と単語の一覧のプリントあったろ。あれ追試までに全部覚えろよ」



それだけ言って図書室から姿を消した。