「ねぇ」
「ん?わかんねーの?」
「じゃなくて、ごめんね」
「はん?」
「勉強付き合ってもらっちゃって。いつもこの時間寝てるのにね」
辞書をぱらぱらめくりながら、なんとか解けている問題の3問目に取り掛かる。
この問題はなにか文法か?
それともなにか別の・・・・
首をかしげながら眉をひそめていると、
「あ」
手に持っていた辞書が創平によって奪われた。
「これはちょっと変わった文法だから、ここ」
「あ、ありがと・・・」
「別に俺だって、補習別の日に変えてもらうためだし」
ちくり
どこか冷たい言い方に少しだけ胸が痛んだ。

