Love or Like





いつの間に取って来たのか、英語の辞書が手渡された。




「あと、ちっちゃくたたんで隠したテスト出せ。追試なんだからそのテスト問題を軸に勉強しろ」



「うす・・・」




あぁ、いつもあんなにバカにしてる創平に(いや、実際バカだけど)、こんな形でお世話になってしまうとは・・・・


図書室独特のにおいを大きく吸い込んで、ばれないように吐き出した。



テストが終わったばかりの、しかも昼休みになんて図書室に来る人なんていなくて。



司書室でまったりとごはんを食べているであろう司書さんと、あたしと創平ぐらいしか図書室にはいなかった。



その状況だからこそ堂々と話ができるんだけど、こうやってあたしが問題に取り掛かってしまえば図書室内は一気に静まり返る。



ちらりと創平を盗み見ると、目をつぶってあくびをしている瞬間だった。




昼ごはん食べたばっかだもんね。

しかも、創平は朝練までしてて起きるのだって早いはずだ。




考えてみれば創平は昼休みに友達とバカみたいなことしてあそんでるときもあるけど、大抵は午後の授業が始まるまで寝ている。


たまに5限が始まっても起きなくて先生にたたき起こされてるぐらいだ。




なんか申し訳ないな・・・