創平からテスト用紙を引ったくり、軽くにらんだ。
「しょーがないでしょ! わかんないんだもん!」
「なんにも言ってねーだろうがよ。安心しろ。とりあえず基礎もわかってない感じなことはわかった」
「安心できるか!」
テストを小さく折りたたんでポケットに詰め込んでいると、持ってきた英語のテキストが創平によって開かれる。
朝あれほどまでに見られることを拒否したテキストだけど、テストの点数を知られてしまった今となってはもうどうでもいい。
なんぼでも見てくれ・・・・
両手で顔を覆って創平を視界から消した。
「大丈夫だって。あかりは単語とか文法を覚えりゃ何とかなるよ」
「ほんとかよ~」
「ほかの教科ができんのに英語だけできないとかあるわけねーだろ。英語の勉強の仕方さえわかれば何とかなるよ」
「勉強の仕方?」
「ほれ。これ見てみろ」
「どれ」
広げられたテキストを覗き込むと、自分の前髪に何かが触れた気がした。

