『わたし・・・創平と恋バナなんかしたくない。創平の好きな子の話なんか聞きたくないの・・・』
あぁ、言ってしまった。
直接的な言葉ではないけど、これはもう創平が好きだと言ってるようなものだ。
失恋の瞬間の覚悟をしてぎゅっと目をつぶった。
『言わないよ』
『え?』
『あかりが嫌だと思うことはしない』
わたしをきつく抱きしめていた腕の力が緩んで、予想外の言葉を放った創平を思わず見上げた。
鼻水たれてんぞ。なんて笑われながら涙をぬぐわれて、あ、また泣き顔見られた。
『俺にとってあかりは大事だから。
泣いてほしくねーんだ。』
帰ろ。送る。
そう言われて手を引かれた。
繋がれた手に意識をもっていかれ、思考が追いつかない。
これは一体どういうことだ?

