ほらほらもう行けと言われながら、背中を押され職員室から追い出された。
わたしと創平の間で流れる微妙な空気。
どちらもなぜか言葉を発さず、ただただ足元を見ている。
「あー、おれ、行くわ」
指の鍵をちゃらちゃらと鳴らし、創平はわたしに視線を向けてきた。
そうか、こいつ用事があって職員室に来たんだった。
「あ、うん。じゃ」
「じゃーな」
ひらひらと手を振りなが去っていく創平の背中を見つめ、その背が見えなくなると同時に止めていた息を吐き出すかのようにした。
なんだこれ。
なんであんなに微妙な空気になる。
いかんいかんと頭を振ってわたしも教室へと向かった。
わたしと創平は仲が悪いわけではない。
むしろ男子のなかで1番仲がいいとわたしは思ってる。
ただ、普通に友情があるかと言われれば
その答えはノーだ。

