わたしをバカにしながら指先でくるくると焼却炉の鍵を回していた創平の動きがとまる。


それと同時に私の視線は創平の指先へとうつり、それから先生のほうへと視線を向けた。




「おまえ2年から学年で下から100番に入ってたら問答無用で補講あるんだぞ。」



「・・・まじで?」



「しかも今週の土曜日」



「それってもしかして、」



「サッカー部が新チームになって初めての練習試合の日だな」


「まじかーー!!!」


いきなり聞こえる創平の叫び。

思わず顔をしかめて創平から少し引いた。

「なにそれ!聞いてないよ先生!」


「おいおい。ちゃんと言ったぞ」


「あんたが寝てばっかだからダメなのよ。なんでみんなが1年の時より必死に勉強してるのに気がつかないわけ?」


「知るかんなもん!テストなんだから必死になるのは当たり前じゃん!?」


「あんたの口からそんな言葉がでてくるなんて・・・」


思わず呆れると、創平が少しむっとした表情になった。

なにを怒ってんのよ。わたし勉強しろってテスト前言ったじゃないのよ。


思わずわたしもむっとして創平を睨み返すと先生からの仲裁の声が入った。