「…だから、なに?」
そんな陽生の行動にやっぱり私はまた首を傾けるしかできなくて…
「いったい何なの?」
答えながら不思議そうな顔を浮かべた私にやっと全て悟ったのか
本気で顔を歪ませる私にみるみるうちに表情を曇らせていった陽生
そして私の腕を掴み
後ろから強引に泡の付いた手を水道の水で洗い流すと、丁寧にタオルで水滴を拭きとり私の体をクルッと反転させた
「果歩…お前…本気で言ってるのか?」
向かい合わせた私の両手を掴んだまま真剣な瞳を向けてくる陽生
その表情はいつになく真顔で真っ直ぐで…
「え…本気だけど?」
「はは、冗談だよな?」
「は?だから何がよ、何かあるの?」
思わず眉間に皺を寄せた私に陽生が信じられないと言ったようの表情を浮かべた
「マジで言ってんのか?」
「だからさっきからそう言ってるじゃない!」