晴天

一章―本気で好きになった時

「美紗～おっはよう！」
「おはよう」
教室の片隅…今日、この頃。私は、楽しい学校生活を送ってます。
友達に恵まれて、家族に恵まれて……足りないのは彼氏だけ。
「美紗？起きてるか～？」
「も～起きてるってば！」
友達の、サエ。お調子者で、ちょっとドジだけど、勉強が出来る天才。
私がボーっとしてる時は、起きてるか～？って自分の世界から呼び戻してくれる。

―緒国美紗―
バカで、ドジで、おっとりした性格の女の子。身長は…まずまず。
それでも、高校１年生で毎日笑顔で、楽しいがこう生活を送ってます！！

「緒国？おっはよ！」
「うん。おはよう」
「なになになに？」
ただ、男子と挨拶を交わしただけで、この食いつきよう…。ありがたいって言えばありがたいけど…。
「ただ、挨拶しただけじゃん！」
「え～美紗、超笑顔だったよ？」
「挨拶する時、無表情だったら怖いじゃん！」
古林和真、あいつは、なぜか毎朝挨拶してくる。そのたびにサエはなに？って聞いてくる。日課みたいなもんだ。

「サエ、好きな人いないの？」
「え？なに？」
「だって、私ばっかり聞かれても…だから、サエわいないのかな？って思って」
ちょっとスローで言った私の言葉は、サエの頬をじょじょにピンク色に染めていった。
「私…好きな人いるよ？」
「え～サエ、好きな人いるの？」
「うん。」
ドンドン顔が赤くなっていくサエを見て、美紗は驚きを隠せない。
「え？チョット待ってよ？」
美紗は、何度か深呼吸をして呼吸を整え、もう一度サエを見る。ヤッパリ頬は、赤く染まって…恋する乙女の顔をしている。