しばらく考えていると、 「どうしたの?無理かしら?」 女の人が心配そうに覗き込んできた。 「嫌だったら代わりに私が――」 「いえっ!大丈夫です!行きます!!」 この人、忙しそうだし。迷惑かけたくない。 何より私が承けた仕事だしね。 途中で投げ出すのは性に合わない。 「では、行ってきます!」 ――――具体的な説明を聞いて、いざ!桐谷学園に!という気持ちでドアを開けたら、 「ちょっと待って。あなたの名前をまだ聞いてなかったわ。教えて貰っても良いかしら?」