「沙奈おはよ!
一昨日メール返って
来なかったけど
大丈夫だった?」

香澄が元気よく
話かけてきた

「あ・・・うん・・・」

私は夢のことが
気になって
頭がぼーっとしている

「どうしたの?」

「なんでもないよ」

香澄が
心配そうに
私の顔を覗き込む

「元気ないじゃん」

香澄が
私のおでこに香澄の
おでこをくっつける

「熱はない
みたいだけど・・・」

香澄はさらに
心配そうに私を
見る

「ちょっと
寝不足なだけだよ・・・」

「そう?」

香澄は少し
納得したようだった

「おはよ!!!沙奈!!!」

亜衣花と悠太が
元気よく言ってくる

私は悠太の
顔を見て少しだけ
ほっとした

ほっとしたのと
同時に
胸が苦しくなった

二人が一緒に
登校して
手を繋いでいる・・・

付き合っている
二人には
当たり前の行動が
沙奈には
羨ましくて
妬ましかった

だけどそれは
沙奈が一人で
思っているだけで
言葉にして
口に出すことは
決して許されなかった

悠太と亜衣花を見て
私はさらに
憂鬱になった

ふーっと

ため息をついた
時には二人の
姿は遠くにいっていた

悠太は私の
変化にも気付いて
くれない・・・

何年も一緒に
いるのに・・・

そう思わせられる
ばかりだった

結局その日は
なんとなく
ダルくてお昼前に
早退してしまった

それでも
悠太はメールも
くれない

悠太の代わりに
亜衣花から
メールがきた

【沙奈大丈夫?
風邪?
早く治せよ〜
沙奈が居ないと
亜衣花淋しいよ〜】

メールには
気付いてたけど
返信しなかった

思わずシカトして
しまった