「悠太ーっ!
お願いっ!!!
数学のノート貸してっ!
今日当たるの
忘れてた〜」

「お前なあ・・・
いつもじゃね-かよ!
少しは
自分でやれよな・・・!」

笑ったような
怒ったような
表情で言う
悠太。

「ごめ-ん!
今度からは自分で
やるからあ!」

いつもより
甘えた声で言う
私。

「はーっ!
もう聞き飽きた
っつーの!
ほらよっ!!」

そう言って
ノートを私に
投げ付けた。

「ありがとーっ」

私は地面に
落ちたノートを
拾う。

「少しは
亜衣花を見習えよな!」

また亜衣花って・・・
他の女の
名前なんて
呼ばないでよ・・・っ

「はあーい★」

私はわざと
明るく振る舞う。

だって私は
感情を表に
出していい
資格なんて
持ってない。

朝は
いつもこう。
毎日なにかと
朝話しかける。

昨日は
英語の教科書忘れた

その前は
漢字ワークやるの
忘れてた。

そして
今日は
数学のノート貸して。

こうして毎日
なにか口実を
作って
悠太のところへ
行く。

それが
私の1日の
始まり。