『ただいま〜〜』

『つとむ、帰ってきたんか』

『お母、なんや顔色悪いで、大丈夫か』

『最近、腰がだるくて、まぁ歳のせいやな』

『一度、病院で見てもらったら…』

『そうしてみるわ…つとむはどないなんや』

『俺は、健康優良児よ(笑)』


二週ほど過ぎた夜
父からの電話…


『つとむ、お母、入院や

『えっ?入院?なんで?何が?』
咄嗟に思いもしなかった事で言葉が定まらなかった。

人は、気分や調子の良いときの上り坂には予測がつく
また、気分や調子が悪くなるときの下り坂にも予測がつく

しかし、予測のつかない坂がある
『まさか、、』

人の生きてく中で、まさかの坂も知っておかないといけないと感じた。


『明後日には手術するんや!』

『なんでやねん?何があったんや?とにかく帰るわ』
家を出て生活をしていた僕は翌日、病院に行った。


『お母、大丈夫か』

『お母さんは大丈夫や、子宮に悪いもんができてるらしいから、それを取るみたいや』

『悪いもん?まさか?癌やないやんな』

『筋腫やいうて、癌ではないみたいよ』

『よかった、不幸中の幸いやな』

『あんたも、一回病院で、ちゃんと診てもらわんとあかんよ』

『お母、今は自分の事だけ気にしたほうがよいで』
明日、手術の患者とは思えないくらい落ち着いた、、、母

『なんか、僕の方が緊張してるやないかな、怖くないん?』

『怖がっていても仕方がないやんか』

『せやかて…怖いもんは怖いやん』

どちらが、病人か
わからなくなっていた


いよいよ、明日は手術