-樹里side-


「樹里、起きろ〜。」


「ん〜・・・、やだあ・・・。」

「起きろっつてんだろ?!
さっさと起きろっ!!」


「うるさあいっ!!
誰も起こしてなんて頼んでないでしょ?!」



朝からいつもの喧嘩が始まる。


いつもは樹と仲がいいケド、朝だけはどうも、上手くいかない。


「クスっ。」

笑い声が聞こえた。

「樹里さあ、早く起きなきゃ笑香来ちゃうよ??」
私は声のしたほうをみた。


「えっ?!広夢?!」


あたしは急いでベッドから出る。

あたしの彼氏、
広夢だった。

「なんだよ、樹里って広夢だったら寝起きいいよな。」


「うるさいっ。」


言い返したケド・・・
当たり前だよ・・・。


だって広夢はあたしの彼氏で、大好きな人・・・。

2つ年上で、樹の親友の広夢。


樹が広夢を連れて遊びに来た日、あたしは広夢に一目惚れしたんだ。


樹に広夢のメアドを聞いて、広夢とメールして行く度、どんどん好きになって行った。



樹はあたしの気持ちに気付いて、
『広夢はタラシだから止めとけ。』
とか、
『やったら捨てられて、傷つくのはお前だろ??』
ってよく言われた。


最初はそれを聞いて、すんごく迷った。


でも、それでもよかったんだ。
上辺だけの彼女でもいい。
広夢にとってあたしが道具になっても・・・
よかったんだ。


ただあたしは、広夢の特別になりたいっ!と思ったから。


広夢にはなんともなくても、あたしにとっては思い出になるから。


だから告白した、らあっさりOK。


でも多分軽い気持ちだよね・・・?