「んんっ……」


彼の舌とともに、チョコレートの苦さが私の口の中を侵した。




1年前に彼の口から味わったチョコレートよりも、はるかに苦いチョコレートの味。






なのに、何故だろう……




私の心は甘く感じた。




「今日は、帰らないから」


そう私の耳元で一言呟くと、耳を軽く噛まれた。




その瞬間、心の奥に熱い思いが溢れ出した。




これからも、それに溺れていくのだろう。






もう、何かを……彼女への罪悪感を消すように抱かれることはない。






ただ、彼の愛に溺れて……




幸せを感じていけるだろう。






貴方から貰った指輪とともに。








     〜 Fin 〜