「だっ…て、泣く女は……嫌いって……」 私はすがるような目で彼を見た。 ……違うって言って欲しい。 「泣く女が嫌いなんじゃなく、涙を使う女が嫌いなだけだよ」 私の欲しい言葉を彼はくれた。 「涙を見せて、媚びるような女は、もう……ごめんだから」 小さく溜め息をついてタバコを消すと、私の涙を口で吸い……私を抱き締めた。 彼の温もりが、今までとはどこか違うように感じた。