「なら、言うなや。」
海人がそこまで口にした瞬間だった。
「海人・・・あれ。」
キラの表情が変わる。
どこか訝しげな表情を浮かべ、彼女が指差した先に移るのは、白服に身を包んだ数人の男たちに追われている一人の少女。
大事そうに一匹の猫を抱えている。
・・・・・灰色の猫・・・・。
まさか・・・。
「追いかけようよ!」
言うが早いが、飛び出すキラ。
「あ、おい!」
厄介ごとに巻き込まれるぞ・・・と言おうとしたが、口が出るよりも先にキラの足はとっくに彼らに向かって走り出していた。
「まったく・・・。」
厄介ごとには巻き込まれたくないのだがな・・・。
海人は頭をポリポリとかくと、あわててキラを追いかけるのであった。


