「お腹かが空いていたんだね・・・。」


 猫を眺めながら笑みを浮かべた瞬間、菜々の目に映るのは猫の首輪に書かれた文字。


 ・・・・・・・・・『L=shank』・・・・・・


 リシャンク?・・・いやエルシャンクかな?


「カッコイイ名前。」


 きっと、お金持ちで幸せな家庭で飼われている猫なんだろう・・・。


 ワタシとは違う・・・・・・。


 母も・・・父も失った私とは・・・・・・・。


「菜々、いつまでゴミ捨てに行ってるんだ!」


 中から中年の男性らしき男の怒鳴り声が響く。


 あ、まずい、戻らないと・・・。


「は~い!」


 返事してすぐにエルシャンクを放し立ち上がる菜々。


「それじゃあ、またね。エルシャンク。」


 手を振り再び店の中に戻っていく少女菜々。


 これが、少女と猫の出会い・・・。


 これが、・・・破滅への出会い・・・・・・・。


 人類は、今確実に滅びへの道へと進もうとしていた・・・・・・。