ネモ的、SFファンタジー短編集


「どういうことや?」


 海人の質問にアルクはポケットからタバコを取り出し、火をつける。


 一息つけてゆっくり話し出した。


「今から一週間前かな?・・・アトランテのとある軍事基地で実験が行われたんだ。」


 それは、リンババァから聞いている。


「その実験に使われたのがそのエルシャンクって猫やろう?」


「話を焦るなよ、海人・・・問題はコノ猫が使われたことではなく『どんな実験に使われた』かだろう?」


 ・・・確かに。


「それで、どんな実験だったの?」


 キラの質問。


「・・・・・・・・・ウィルスだよ。」


 アルクの答え。


「どういうコトや?」


 さっぱり意味が分からなかった。


「ウィルスがばら撒かれたんだ。たくさんの動物・・・おそらくは100匹程度だろうけど、その動物が閉じ込められた部屋にね。」


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


「なるほどな。」


 そういうコトか・・・。