ネモ的、SFファンタジー短編集


「だから、笑ってろよ。ミリト。」


 ・・・・・・・・利徒ではなくミリト。


 あなたは・・・・・・また、前世の名前で呼んでくるのですね。


 うたびと・・・・・・・ミク様・・・・・・。


「まぁ、そういうコトだ。死ぬに死にきれず、死神になってしまったワタシにはもう『うたびと』としての力は無い。だけど、悪くは無いよ。たまにアンタみたいに、昔の『仲間』に会えることもあるしね。」


 それは、強がりなのか、心から出た言葉なのか・・・。


 分からないのは人間の力の限界。


 だけど・・・・この世は、分かってしまうほうが辛いことがある。


 だって・・・・・。


 ・・・・・・・・・・・・『人間の姿になれたのはアンタだけなの』・・・・・・・・・。


 なにが、昔の『仲間』に会えるだよ。


 ・・・嘘つきが・・・。