『あなたの可愛い娘・・・菜々ちゃんといいましたが、彼女がわけあって、家にいるのですよ。』


 何を今さら?


 何のための監視だと思っているのだ。それぐらいずっと前から把握している。


「知ってる。だから、何だという?」


『交換条件と行きませんか・・・彼女の命と・・・』


「なっ!」


 そういう手段で来るか!?


『条件は簡単です。私たちについている見張りを解いてもらいたい。もちろんエルシャンクをめぐる交渉はまた別です。だが、悪い条件ではないと思いますよ。』


「貴様、都合がいいにもほどがあるぞ!我々の見張りを解いた途端、お前たちがエルシャンクを虎神に渡さない保障がどこにある?」


『大事な娘さんの命がどうなってもかまわないと?』


 ・・・・・・こいつ・・・・。


「誘拐は、重罪だぞ。」


『分かってますよ。我々もこんな手は使いたくない。だけど、いつまでも見張られた生活はイヤなのでね・・・最終手段に出されてもらった。それまでです。』


 小悪党が!