「ちょっと、ふかしすぎちゃうんか?」


 一方サクラが帰った後の、アルクたち一行。


 ようやく緊張から開放されて、海人は先ほどサクラに向けた『拳銃型ライター』で、くわえたタバコに火をつける。


「ああいうのは、少しオーバーにやったほうがいいって言ったのは、海人のほうだろう?」


 同じように、タバコをふかして紫煙を吐き出すアルク。


「それでも、限度ってものがあるでしょうに?」


 キラもようやく緊張が解けたのか、先ほどまでの殺気立った表情から一転、いつもの柔和なものに戻っている。


「これでも、考えたつもりだったんだけどな・・・。」


 あれでかよ?


 お前は・・・。


「やりすぎや。まったく・・・」


 タバコをふかしながら、アルクの正面。先ほどまでサクラが座っていた席に腰をつける。


「仕方ないだろう?軍人相手に下手に出れるかよ?」


「それには、一理あるわね。」


 キラの言葉ももっともだ。


 自分たちは軍と違い、国と言う後ろ盾が無い。


 手持ちの武器といえば、既に旧型と呼ぶにふさわしいギア・ドール『皐月』一体のみだ。


 何百と言う、小型ミサイル。何千と言う戦車や戦闘機、そして何万と言うギア・ドールを所有する軍隊相手に、それではあまりに心もとない。