「20億です。それ以上は一銭たりともやすくするつもりはありません。」


 それを口にしたとたん、アルクの目つきが変わった。


 先ほどまでの笑顔から一転。


 どこまでも続く深い深い闇の瞳。


 人を殺しかねない・・・いや、今この場で下手なことを口にしたら、殺される。


 そういう目だった。


「くそっ・・・また、お邪魔する!」


 それ以外に何が口にできただろう。


 これほどに愚弄されたのは初めてだ。


 たかが素人に・・・


 たかが若造ごときに・・・。


「あいつら・・・許せん!」


 帰り道・・・サクラは誰に言うでもなく、そうつぶやくのだった。