「それじゃあ、行くで。」 海人は菜々をひざに乗せたまま、レバーやペダルの操作を始める。 ・・・皐月起動・・・。 振動が海人のひざを通して、自分にも伝わってきた。 屋根についている倉庫の扉が開き、皐月上昇。 発進! 「ぐっ!」 一瞬、何者かに殴られたのかと思った。 それぐらい、皐月が発信するときのGはすごいものだったのだ。 だけど、それさえ超えれば、あとは一面に広がるのは、広い広い一面の青空。