ネモ的、SFファンタジー短編集


「ごちそうさま。」


 大人三人よりも早く、食事を済ませて両手を合わせて挨拶をする。


「あれ?菜々もういいの?」


 キラが聞いてくるが、元々菜々の胃袋は大きいわけじゃない。


 それに・・・私がたくさん食べたら、みんなの分がなくなっちゃう・・・。


「うん。もう大丈夫、遊んでくるねぇ~。行くよエルシャンク。」


 足元でまだ、魚をくわえているエルシャンクを無理やり連れ出す。


 早々に、食事を切り上げたのは、確かに三人に気を使ったというのもあるが、他にも理由がある。


 ・・・昨日、偶然見つけた地下室への入り口。


 ただの押入れだと思っていた部屋の奥に扉があったのだ。


 あけてみると、そこには延々と地下に続く階段があった。


 昨日は見つけたのが夜というコトもあって、少し怖くなってその場で逃げ出してしまったが、今日こそその正体を突き止めてやるんだ。