ネモ的、SFファンタジー短編集


 菜々は幸せだった。


 食事はあの日アルクが言ったとおり、とても豪勢とは言えるものではなかったが、彼らと食べる食事は毎日明るくて楽しかった。


 キラは毎日、自分と遊んでくれて私たちの食事を作ってくれた。


 アルクは、家にいるときはマチマチだったが、家にいるときは勉強を教えてくれた。


 頭が良くて飲み込みが早いといわれた。


 生まれて初めて自分を褒めてくれる大人だった。


 海人は、仕事をしているらしくて、滅多に会えなかったが、傍にいるだけで安心感を覚えた。


 そして、キラと海人とアルクと、エルシャンクとみんなで取る食事は本当ににぎやかで楽しかった。


 きっと永遠にこんな日が続いてくれるのだろう。


 菜々はそう信じて疑わなかった。


 ここにいれば、私は笑える。


 私は笑いながら生きていける・・・・。