傷付いたまだ幼かったあたしの心の中にあんたは図々しいまでに土足で入り込んだ。最低な男。運命なんて信じなかった。たかが14、5歳の子供が感じ取った一瞬。 微妙な勘。


『あたしはきっとあんたから離れられなくなる………』


横暴で奔放すぎて、あまりにも不純で………。 けどそうしなきゃあたしをあんな失意の底から引っ張り上げるのなんて不可能だったんだろう。それがあいつにしか出来ない強引さ。そして優しさ。


あいつがいつだかあたしに言った言葉。
『忘れんな………』
忘れようと必死だった。過去の記憶。あたしを縛り付けたまま離してくれない過去の記憶。それを、
『絶対忘れちゃいけない』
そう言った。


起こってしまった現実は受け止める他ない。忘れる必要はない。


あたしには重すぎた荷物は気付けば半分
あんたが背負ってた。あんたが教えてくれる事はいつも冷たくて現実的で逃げることを許さなかった。それでもいつもあたし中心で回っていた。


あの幼い日の直感は気のせいじゃなかった。もう無理しなくて大丈夫。もう背伸びしなくても大丈夫。あんたが居れば何も恐くない。


素直にはなれないあたしの弱点。言葉ではどうしても言えないけれど、この鼓動で。その肌で。その躰で感じ取ってね?


これはあんたがあたしに教えた事でしょ?


今日も
明日も
これから先も
ずっと変わらない。
あたしだけのI LOVE YOUの伝え方。