「思い出したか?」


「やっぱり忘れた」


「更にガーン」



益々地面に近付いてしまう彼を見て乃々はもう一度考えようとした



「うーん」


「何週間か前に同じ状況で、俺がバイクでガッコに送り届けてやったろ」


「あっそーだ。遅刻しそうだった私を…うん。思い出したよ」


「そうだよ。忘れんなよ」


「普通は忘れるよ」


「……あのなぁ…」


「?」



彼は立ち上がって乃々に指差しながら言い放った。



「俺様のようなイイ男を簡単に忘れるな!普通気になって忘れねーだろ?」