その上からの言葉にカッチーンときた俺は、ソイツに怒鳴ろうとして、
「あっ、あんなぁ!おまっ「くっ、はははははははっっ!!」
「は?」
急に秀哉が笑い出した。それにまた目が点になる俺。
「あはははっ!あー、んっ、おもろっ!はぁー。ええで。」
「はぁっ?!」「ホンマっっ!?」
俺と小枝の声が重なった。
「おまっ!何考えてんねんっっ!!」
「ええやんか。だって本格的に芸人目指すんやったら、マネージャーの1人ぐらい必要やて。」
「そーや、そーや!祐樹っ!この仏の男の人やって、言うてるやんかぁ。」
「あっ、俺、前谷秀哉っちゅーんやけど、はじめましてやんな?」
「おんっ。名前は、さっき漫才で言うてたから、知ってんで。ウチは宮野小枝。こちらこそよろしゅうお願いしますぅ。」
こんときが秀哉と小枝初めて知り合った日。
「……何かわいこぶってんねん……。」
「あぁ゛?祐樹なんか言うた??」
「べっ、別に…;ってか、秀哉!正気かぁ?コイツとんでもない女やで!」
「誰がとんでもない女じゃ!ウチは本気やもん。ウチかて本気でそうゆうマネージャーになりたい思てる。なっ?頼むわっっ!!」
そう言うた瞬間この女、俺に土下座しよった。
まだここは、体育館のステージ裏で俺ら以外に生徒や先生まで結構な人がおった。
せやから、みんな小枝の大声でこっち向いてるもんやから、みんないたぁーい目で俺を見てくる。
しかも、俺と小枝は、男と女やし…。
男が女に土下座させてるなんて、最悪な行為。


