「でも、映画とかの撮影でならなんどか使ったことあるから平気だと思う。」



一瞬慌てた俺だったが和の一言を聞いて少しほっとした。


俺は傍にいるのが和で良かったと思った。



「めちゃくちゃ頼もしいなぁ、和は」



ちょっと勝ち気で意地悪的な顔した和は



「遼ちゃんは見た目はめちゃくちゃかっこいいのにねー。


その分めちゃくちゃヘタレだから、俺がしっかり守らないとな。」



「ヘタレで悪かったな。」



和はずっと笑っていた。



でも、心からではなかったと思う。


これから起こることに和の心の中では戦っていこうとこのとき決心したんだ。


きっと…。


それとヘタレな俺に少しでも怖がらせないように、不安にさせないように、無理して笑ってくれていたのかな。




このとき和が震えていたのを見て、俺はそう考えたのだった。




ありがとう和。










この間にウイルスは東京中を侵食していった。