「じゃあな、うえ……「って、そんな訳がないだろう! 俺を騙せると思うな」
「え……!?」
「清水。お前が行く予定のトイレのドアが、そこではないことぐらい誰でもわかるぞ」
そう言うと、ギクリと身体を硬直させる清水。
清水が本当にトイレに行きたいのなら、普通は室内に設備されたトイレのドアノブに手を掛けている筈だ。
なのに、今まさに清水が触っているそのノブは、部屋の出入口のノブだったのだから。
これは明らかに不自然すぎる。
更には“だす”という普段使わない言葉や、異様な“どもり”。
あの取り乱し方からして、俺は清水が何かを隠しているのだとしか考えられなかった。

