【完】スマイリー☆症候群




「上手くいったようだな」

「おう。……じゃあ、そそ、そろそろ寝るかね?」

「……っ」


おかしいぞ。

確か……俺の記憶が正しければ、清水は夜型人間な筈だ。

時計をみると、今はまだ11時過ぎ。

こんな時間に奴が、“寝るかね”と言い出すのは、絶対に有り得ない。それに、さっきまで奴は起きている気満々で、寝たふり作戦まで決行した。

いや、そもそも“寝るかね”という異様な言葉を発する時点でおかしいんだ。


「そうだな、清水。今日はもう寝よう」


取り敢えず了承したふりをして、俺は隣のベッドにいる清水を横目でチラリと覗いた。

月明かりに照らされたその表情は、何か企みがあるような、また、そわそわしているようにも見える。


「清水……」


目線が一点に定まらず、息が荒くなる清水。

そう。そんな奴を見て、俺はついに気付いてしまったのだ……。


「お前……」


直ぐに気づいてやれなくて悪かった。

何という不覚だ。

友人なら、こんなことぐらい早く気付いてやるべきだったんだ。

清水、さっきからお前がそわそわしていた理由は――。