「問題ない。“寝たふり作戦”を決行すればな!」
ピンと閃いた俺は、静かにそう口にした。
「作戦名そのままかよ! ……まあいい、じゃあその“寝たふり作戦”とやらをやろうぜ」
「ああ」
急いで電気を消すと、布団に入り瞼を閉じる。
「入るぞ……」
そんな声がして、ガチャリと音を立てて扉が開かれた。
「あれ、寝てるのか」
小さく零された声。
どうやら奴は、俺達が寝ているとまんまと信じきったようだ。
そして後によく確認することもなく、白鳥は颯爽とこの場から羽ばたいていった。
よし。今日の2つめのミッション、“寝たふり作戦”大成功だ!

