【完】スマイリー☆症候群




結局俺達は、どれだけ走り続けたのだろうか。

自分自身でもわからない。


「……はぁ。何とか作戦成功みてーだな」


清水はキラリと額に汗を光らせ、そう言った。


「うん。それに、ここからだと、集合場所のホテルまで後ちょっとみたいだしね」

「ほんと。何かそう考えると、私達って結構ついてるのかもしれないわね」


息を整えながら、清水に続くように2人は声を洩らした。

ついさっきあった筈のあの事件が、なんでもなかったかのように、犬塚と宮永はキラキラとした笑顔を振り撒く。

フフッと笑い合う2人の姿からは、真にミッション成功を喜んでいるように感じられた。


「集合時間まであと少しだ。ホテルへ急ごう」


爽やかな空に俺の声が響くと共に、俺達4人はそのまま、ホテルへと足を進めることにした。