「なあ、本堂に着くまでもう1回しりとりゲームやんね?」
すると急に、清水は何か思い付いたような表情で、淡々と提案を持ち掛けた。
しりとりゲームか……。そういえば、あの時は途中で終ってしまったしな。
振り返ってみれば、俺達はまだしっかりとゲームを満喫していない。
そう思った俺は、可否を心に決め口を開いた。
「いいだ……「「却下!」」
不覚にも、2人の声に勢いよく遮られてしまった俺の言葉。
隣の清水をチラリと覗くと、かなり落胆している様子が伺える。
「「……」」
多分違う意味ではあったと思うが、その時、俺と清水は全く同じ表情をしていた。

