【完】スマイリー☆症候群




もしや……!


「つーばきちゃん、どうしたのかな? そんなムキになっちゃって」


ニヤリと高らかに口角を上げて嫌味に笑い、ちらっと彼女に視線を送る俺。

そんな俺を見て、一瞬犬塚の身体はギクッと強張った。


「ヤキモチなんて可愛いぞ、この野郎!」

「ばっ、誰がヤキモチなんて……!」


そうは言いながらも、彼女の頬は見る見る内に赤く染められていく一方で。


「照れんなよ、もうわかってるからよ。な、宮永?」


ニヤニヤしたままの顔付きで、俺は宮永に同意の声を求めた。

……なのに。

バチッと俺と目が合うと、彼女は瞬時にそれを拒み、頬をピンクに彩ってから視線を俺から地面に逸らした。


「み、宮永……?」


そう呼びかけても、彼女は俯いたまま応えようとしない。


「笑佳ちゃーん?」


ただただ流れる、嫌な沈黙。

ちょっと待てよ。俺、何かしちゃったっけ?

……って、さっきめちゃくちゃヤバイこと普通にやっちまったじゃん、俺!

宮永、俺がさっき写真の時したこと怒ってんのかな? ……やっぱ、そりゃ誰でも怒るよな。