【完】スマイリー☆症候群




ドキドキドキドキ……。

刻々と近づいていく姫との距離に、尋常じゃないほどの汗が身体中の毛穴から一気に吹き出す。

あ、あともう少しだ。15センチ……10センチ……5センチ……1セン――


「清水くん、こっち向いてくれへんかな?」

「んがっ!」


どどど、ドキーーンッ! いきなり聞こえた杉崎さんの声に、何故か一瞬焦ってしまった俺。

あがり過ぎてた自分に後悔。

畜生。あともうちょっとだったのによ。


「じゃあ、もう1回撮るで」

「よ、よろしくお願いします」


もう一度訪れたチャンスに、決意を固める。

よーし。今度こそは成功させてやるぜ!

何せ、“やる気・根気・元気”この熱血三拍子が俺には揃ってるんだからよ。