ドキドキドキドキ……。
刻々と近づいていく姫との距離に、尋常じゃないほどの汗が身体中の毛穴から一気に吹き出す。
あ、あともう少しだ。15センチ……10センチ……5センチ……1セン――
「清水くん、こっち向いてくれへんかな?」
「んがっ!」
どどど、ドキーーンッ! いきなり聞こえた杉崎さんの声に、何故か一瞬焦ってしまった俺。
あがり過ぎてた自分に後悔。
畜生。あともうちょっとだったのによ。
「じゃあ、もう1回撮るで」
「よ、よろしくお願いします」
もう一度訪れたチャンスに、決意を固める。
よーし。今度こそは成功させてやるぜ!
何せ、“やる気・根気・元気”この熱血三拍子が俺には揃ってるんだからよ。

