【完】スマイリー☆症候群




「ほんなら、犬塚はんと宮永はんはウチについて来ておくれやす」

「「はい!」」


奥に続く廊下に誘導する1人の舞妓さん。

宮永と犬塚はコクリと頷くと、その後に続いて歩み出す。


「ほんなら、2人はウチの後に続いてくれはります?」


これは、これは……。かなりの美人さんではないですか!


「勿論、喜んで!」


美人舞妓さんに気分が上昇した俺は、満面の笑みで口を自然と開いていた。


「同じくだ」


俺が発言した直ぐ後。

続いて植木はそう言うと、勢いよく右手の親指を前に突き出す。

俺が見る限り、その表情は新しい世界に胸を踊らすぴかぴかの1年生のように、初々しくキラキラと輝やいていた。


「おおきに。ほなお2人さん、行きますえ?」

「はい!」


これから先への期待から募る緊張感と共に、俺は心の底から大きな返事をした。