【完】スマイリー☆症候群




「あなた達が桜凛学園の体験生どす?」


キ、キターーー!

何だ、この胸をそっとくすぐるようなこの感じは! ……凄まじく、やべえ!


「そ、そうどす。俺達が桜凜学園の生徒どす!」

「「「ど、どす?」」」


俺に集まる3人の視線。

驚いているらしく、目を丸くして俺を見る。


「いや、何つーか、せっかくの機会なんで言葉遣いを京風にと思って……」

「おお、そうどすか!」


いつもは凛々しい瞳を、少しばかり輝かせる植木。


「そうそう!」


植木、まさかお前が俺に共感してしてくれるなんて……!

まさに、今、この瞬間、17年間の人生の内で一番お前と分かち合えたような気がするぜ。


「あんた達、絶対使い方間違ってるから、それ」


なんて犬塚のツッコミが飛び交うも、俺にとっちゃそんなこたァ、どうでもいい。


「まあまあ、細かいことは気にしないで、皆さん早速体験しましょうぜ!」

「うん、そうだね!」


ふんわりと優しく俺を見てから、ニッコリと元気よく頬を緩める宮永。

その天使な表情がなんとも堪らなくて、俺の顔は思わずニヤけてしまったのは、言うまでもない。