【完】スマイリー☆症候群




それにしても、舞妓さん……最高だぜ!

というか、舞妓さん“体験”って事はつまり……宮永と犬塚の舞妓さん姿が見れるって事だよな!

ゴクリ。

や、ヤバすぎる。ってか、最高すぎる!

清水孝治17歳、こんなにも幸せでいいのだろうか……!


「植木……きっと俺達は今、とんでもなく素晴らしき天国に向かってるんだ!」


可愛い女の子達に囲まれた空間。それはもう、天国としか言いようがないだろう。


「大丈夫だ清水」


突然植木は呟いたかと思うと、真剣な眼差しで俺を見てきた。

……ん。“大丈夫”って何がだ?


「お前まだ死んでなどいない。生きている。だから、天国へなんて行かんぞ」


生きてるって、そんなこと言われなくても知ってますから。

ってか、自分の生死が分からん奴がどこにいる!


「いや、そういう意味じゃなくって。お前は比喩表現を知らんのか!」

「む、比喩だったのか! 勘違いしていた。すまない」


ポンッと手を合わせそう言う植木に、俺はそっと小さく溜息をついた。