「……ちょ、待ってくれよ。俺、マジで超恥ずかしい奴じゃん!」
大声でそう叫んだ1人の少年こと清水くんは、とある有名な絵画のように頬に両手をあて、耳まで真っ赤に染まっていた。
まさしくこれは、コウジの叫び。
「何か俺、めっちゃ痛い人だよ。超自信満々に、それもかなり堂々と言ってた自分マジで恥っ! リモコンとか、調子に乗って略してんじゃねぇよ!」
絶望感に満ちた表情のまま、清水くんは声を荒げる。
「だっ、大丈夫だよ! 誰にでもそういうことあるって」
「そうよ! 完璧な人間なんていないもの」
「宮永、犬塚……」
そんな私達3人を見て、植木くんは少し首を傾げながらも、
「何かよくわからんが、清水。お前が気にすることはない」
と私と椿ちゃんに合わせて、フォローの言葉を入れた。
「皆、本当にありがとう。こんなちっぽけな俺のために……だけど――」
しっかりと前を向く清水くんの、透き通った瞳。それは、一切揺るぎない。
固く決意を秘めたその瞳は、私達を注目させた。

