【完】スマイリー☆症候群




「……ちょ、待ってくれよ。俺、マジで超恥ずかしい奴じゃん!」


大声でそう叫んだ1人の少年こと清水くんは、とある有名な絵画のように頬に両手をあて、耳まで真っ赤に染まっていた。

まさしくこれは、コウジの叫び。


「何か俺、めっちゃ痛い人だよ。超自信満々に、それもかなり堂々と言ってた自分マジで恥っ! リモコンとか、調子に乗って略してんじゃねぇよ!」


絶望感に満ちた表情のまま、清水くんは声を荒げる。


「だっ、大丈夫だよ! 誰にでもそういうことあるって」

「そうよ! 完璧な人間なんていないもの」

「宮永、犬塚……」


そんな私達3人を見て、植木くんは少し首を傾げながらも、


「何かよくわからんが、清水。お前が気にすることはない」


と私と椿ちゃんに合わせて、フォローの言葉を入れた。


「皆、本当にありがとう。こんなちっぽけな俺のために……だけど――」


しっかりと前を向く清水くんの、透き通った瞳。それは、一切揺るぎない。

固く決意を秘めたその瞳は、私達を注目させた。